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「プロ現役32年、219勝」――山本昌の忘れられない1勝。6年目のこと。

なかなか勝てなかった若手時代。6年目にあった転機

■「去年はまぐれだったのか」そう思った0勝4敗

 開幕ローテーションを勝ち取ったものの、約2か月間、勝つことができませんでした。この時点で0勝4敗。
「去年の5勝はまぐれだったのかな?」
 不安が募っていたことを覚えています。それが、5月27日の巨人戦で1対0の完封勝利を挙げることができました。この時期の巨人は連勝していて調子が良かった。そのチーム相手に完封できたことで、私は「よし、やっていけるぞ!」と確信を得ることができたのです。

 それと同時に、なかなか勝てない私をローテーションとして起用し続けてくれた星野監督にはとても感謝しています。
 自分が「一昨年と同じままか……」とネガティブな感情になりそうなところ、監督は我慢してマウンドに送ってくれたわけですから、自分の力以上に星野監督の温情も大きかったと思います。

 ほかにも、2008年8月4日の巨人戦で達成した通算200勝。14年9月5日の阪神戦で、浜崎真二が持つプロ野球最年長勝利を更新できたことも印象に残っていますね。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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